本のことばかり100冊とちょっと
- 2015年10月6日
- 読了時間: 11分
One of 今年の目標は「本を100冊読む」こと。(本日達成! )
ちいさいころから数えきれないほどの本を読んできたけれど、
どんな本を読んできたか、ほとんど忘れてしまった。
ちょっともったいなかったかなと思って、今年は本のなまえを付けてみた。
そういうわけで、今年読んだ100冊を、とりとめもなくまとめてみることに。

2015年1月〜3月は小学校の先生をしていた時期で、図書室に行くことが多かった。
こどもたちが帰ったあと、
夕陽が沈みかけて夜がやってくるまでの間の、しんとした図書室が好きだった。
自分が大人とこども、どちらでもないような、不思議な感覚になった。
明日、こどもたちに何の本を読もうかなと考えながらも、
背の高い本棚にごった返す本たちの中で、心はすっかりこどもに戻ったようになって、
今はもうすっかり遠ざかってしまった本たちを、心置きなく、たくさん手に取った。
【児童文学】
(わたなべしげお)もりのへなそうる
(ルース・スタイルス・ガネット)エルマーとりゅう
(古田足日)おしいれのぼうけん
(中川李枝子)いやいやえん、そらいろのたね
(石井桃子)においのカゴ
(茂市久美子)つるばら村のパン屋さん
(上橋菜穂子)精霊の守人、闇の守人、夢の守人、神の守人(来訪編・帰還編)、虚空の旅人、鹿の王(上・下)
(フィリパ・ピアス)トムは真夜中の庭で
(ペーター・ヘルトリング)ヒルベルという子がいた
今年は読まなかったけれど、外国の児童文学も好きだ。
中でもドイツ文学、ケストナーとミヒャエル・エンデは本当に素晴らしいと思う。
ケストナーは、あんぱんまんの作者やなせたかしさんの尊敬する作家でもあるのだけれど、
幾度の世界大戦やホロコーストが起きた最只中のドイツで、あれほど明るく、
ほのぼのと心温まるストーリーを世に出し続けたのは天晴だと思う。
いちばん好きな部分を抜粋。(エーミールと三人のふたご(ケストナー) より)
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(本文一部抜粋)
「じぶんは喜んで、しかもあいてにはだまって、いっそう大きなぎせいをはらいながら、ぎせいを感謝の心で受けいれるのは、よういなことではないよ。」おば あさんはいいつづけました。「それは、だれにも見られず、ほめられもしないおこないです。でも、それは、いつかあいてを幸福にするものです。それがただ一 つの報いです。」おばあさんは立ちあがりました。「おまえの思うようになさい!どちらでも。よく考えなさい!わたしはひとりで行くから。」 エーミールはとびあがりました。「ぼくも行きます、おばあさん!じぶんのなすべきことがわかりました。ぼくはだまっています!死んでも。」 おばあさんは、エーミールの目をのぞきこみました。「えらいよ!」と、彼女はいいました。 「えらいよ!きょう、おまえはおとなになった!ほかの人より早くおとなになった者は、ほかの人より長くおとなでいられるのだよ——
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外国つながりで、おとな向けの外国文学も少しだけ読んだ。
(こっちは、仲の良いともだちから繋がるものばかり。フランス文学寄り。)
【外国文学】
(クンデラ)存在の耐えられない軽さ
(デュラス)太平洋の防波堤
(ゾラ)居酒屋

【旅】
(星野道夫)旅をする木
(内野加奈子)ホクレア 星が教えてくれる道
(ウィル・クセルク)星の航海術をもとめて
(ナイノア・トンプソン)ホクレア号が行く
(幸田文)旅の手帖
(近藤紘一)パリへ行った妻と娘
(旦敬介)旅立つ理由
(太田和彦)ふらり旅 いい酒 いい肴
星野道夫さんの透明な眼と文章でアラスカの景色を追うと、しずかで深い幸せに満たされる。
わたしの「旅本」の原点は、この人にあるんだと思う。
ホクレアについては、以前もブログで紹介したとおり。
ホクレア号に乗船した唯一の日本人である内野加奈子さんの文章もまた、
透徹したまなざしと静けさがあって、好きになった。

好きな作家、その1。
【池澤夏樹】
花を運ぶ妹
マリコ/マリキータ
バビロンに行きて歌え
世界文学リミックス
池澤作品は、「すばらしい新世界」が一番好きだ。
いつも、見たことも感じたこともない世界を、
圧倒的な力でスコーン!と目の前に引っ張り出してくれる。
客観的で整った文章(ダシ)をベースに、
「異国」「自然(とても官能的な)」「人間じゃない世界」
という壮大なスパイスを思い切り効かせる、技アリ作家だと思う。
エッセイはあまり好きじゃないけれど、小説はとても好き。
好きな作家、その2。
【よしもとばなな】
花のベッドでひるねして
みずうみ(これは2回目のヨムヨム。)
鳥たち
サーカスナイト
スナックちどり
すばらしい日々
小さな幸せ46こ
小さないじわるを消すだけで ダライラマ14世とよしもとばなな
人生のこつあれこれ2013
感覚的・神秘的なものをそばに、
やさしさと恐ろしさ、軽さと重さを交互に波のように書く作家さんだなぁと思っている。
独特のリズムで、
感覚だけで空気のように軽く読めるんだけど、いやされたり、ゆるされたりするかんじが
どの本からも伝わってくる。
「そういうことを、本当にすごいことだと思ってもいいんだ、大事にしてもいいんだ!」
って、いつも勇気が出て、ほっとする。
特に今回は、「花のベッドでひるねして」が一番響いた。
(桃子さんという幽霊が出てきたからかもしれない・・・。)
わたしにも新しい家族ができたから、感じるものもあったのかもしれない。
間違いなく今年の「いちばん」。
ご本人も、50年生きてきていちばんの作品になったと仰っているみたい。
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(本文一部抜粋)
一見あたりまえのこと…家族が仲良く暮らす、なるべく気持ちをためないようにちゃんと言う、あいさつをしっかり交わす、家の掃除をする、そんなことの積み重ねが結局は大きな力になっていく。
こんなにも平凡な暮らしに見えて、これ以上の魔法を持つ人々を私は知らなかった。というのも、小さなひずみがいつのまにか大事になっていくのを、この村や他の町や新聞やTVで毎日のように見るからだ。なにか大きいことをしようとして、そのぶん小さいことがおろそかになり、おかしなことをおかしいと思えなくなってしまって、どんどんずれていくさまを。・・・・・・
「私、おじいちゃんはやっぱりすごいと思うんだ。」私は言った。
「だって、このこわい家のおばあさんが裏に住んでいて、ずっとおじいちゃんを手に入れようとしていたんでしょう?それなのにあんなに穏やかに好きなことをして暮らしていたなんて。あんまりおじいちゃんが普通にしていたから、私、そのこと考えたこともなかった。ずっとおばあちゃんに恋をしていたみたいだし。そこもすごいと思うの。」
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好きな作家、その3。
【梨木香歩】
岸辺のヤービ
丹生都比売
今年は出版された本が少なかったので、2冊。
実際にお会いして、お話したことのある数少ない作家さん。
旅と鳥と植物のひと。(わたしの中の勝手なイメージ)
凛として、野の花のように可憐で明るい女性!一目で好きになってしまった。
同志社大学時代に、京大にいた河合隼雄先生に見出されて本を書く人になったのだそう。
出会うべくして出会い、なるべくしてなった、という言葉がぴったりくる。

【流れてきた本】
(ダライラマ14世)ゆるす言葉
(レイチェルカーソン)センスオブワンダー
(やなせたかし)わたしが正義について語るなら
(アルボムッレ・スマナサーラ)怒らないこと
(白取和彦)ヘッセの言葉
何か思うことがあったり、ふと立ち止まって見つめ返すような時に、運命的にやってきた本たち。
それにしても、「怒り」はわたしの大きなテーマだと改めて思う。
とくに、「ゆるす言葉」はトーキョーのゲストハウスでふと出会った本だったけれど、重かった。
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「ゆるしとは「相手を無罪放免にする手段」ではなく、「自分を自由にする手段」です。」
「怒りは力ではなく、弱さのしるしなのです。」
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やなせたかしさんのあんぱんまんの話も、とても面白かった。
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「あんぱんまんは、やけこげだらけのボロボロのこげ茶色のマントを着て、ひっそりと、はずかしそうに登場します。自分を食べさせることによって、飢える人を救います。それでも顔は、気楽そうに笑っているのです。」
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本当の正義って何だろう、と突き詰めて考えたやなせさんが、正義とはかっこいいものではなくて、そのために自分も深く傷つくものだといってあんぱんまんを生み出したのを知って、びっくりした。生まれたばかりのこどもたちは、そういうこと(ほんとうの正義とはなにか)を無意識にわかっているのかもしれないね。

2015年4月、新しい職場で、またサラリーマン生活!というわけで・・・
【池井戸潤】
下町ロケット
おれたちバブル入行組
おれたち花のバブル組
ロスジェネの逆襲
銀翼のイカロス
中では半沢シリーズ第3弾、「ロスジェネの逆襲」が一番よかった。
プロパーの若い社員が同世代で、共感できる部分も多かった。
下町ロケットもよかった!
この人の本は、悪者が本当に憎たらしいくらい悪者で、そいつらが必ずぎゃふんと言わされるので(笑)、読んでいて気持ちいいくらいスカッとする。
現実社会では、こんな絵に描いたようにぎゃふんと言わされることなんて少ないんだろうけど、
頑張ってる人、正しいことをしようとしている人の背中をぐいぐい押してくれる、
あったかい作家さんだと思う。

【新書・エッセー】
(斎藤孝)読書力
(辰濃和夫)文章のみがき方
(丸谷才一)文学全集を立ち上げる
(藤原正彦)祖国は国語
(村上春樹)サラダ好きのライオン
(松浦弥太郎)くらしのヒント集、センス入門
(糸井重里)忘れてきた花束
(倉本聰)富良野原話 日本人として
(田口ランディ)ひかりのあめふるしま屋久島
(河合隼雄)子どもの目からの発想
(佐々木正美)子どもへのまなざし
(山崎亮)まちの幸福論
(西畠清順)プラントハンター
まちづくりに携わる者として、来年はたくさんまちづくりの本を読んでいきたい。
これは来年の目標。
【和のもの】(和率、意外と高い!)
(白洲正子)古典の細道
(樋口一葉)たけくらべ
(河合隼雄)紫マンダラ
(志村ふくみ)母なる色、一色一生、白夜につむぐ
(ラフカディオハーン)怪談
「古事記」75の神社と神様の物語
(坂東真砂子)朱鳥の陵
弓道
(オイゲン・ヘリゲル)無私と無我
(坂之上望)よみたい万葉集
(京極夏彦)遠野物語remix、遠野物語拾遺
(夢枕獏)宿神(1)
(茂木健一郎)日本のクオリア
随筆では、志村ふくみさんの文章、河合隼雄先生の「紫マンダラ」(源氏物語について)、
白洲正子氏の「古典の細道」は素晴らしかった!
特に白洲正子氏の古典への愛、昔の人たちへの愛情は研究者としての域を超えていて、
だからこそ納得できる部分もたくさんあった。
物語では、「たけくらべ」(川上未映子訳)も随筆に負けないくらいよかった。
樋口一葉は初めて読んだけれど、明治時代にわずかにのこる遊郭「吉原」に生きる
江戸っ子たちの様子がいきいきと映し出されていて、
あの時代に、あの時期(思春期という青い時代…笑)の少年少女にスポットを当てて
未来の僧侶と遊女の淡い恋心を見事に描き出すというのは、心にくい!!
女の眼でしかできないよなぁとすっかり感心して、きゅんとしてしまった。
さすがは、5000円札になっただけのことはある・・・。

【料理】
(平松洋子)買えない味、かんたんでおいしいから今日もまた。
(石井好子)巴里の空の下 オムレツのにおいは流れる
(行正り香)カラダがきれいになる60のレシピ
作家のおやつ
平松洋子さんはエッセイが好きで、料理本を見つけたのでいそいそと借りてみた。
平松さんは、潔く、気取らない、男らしい江戸っ子女性という印象。
アジアの国々が大好きで、エスニックにも造形が深く、とてもよかった。
今年はおざなりになってしまったけれど、来年は(現実の)料理も頑張らなきゃなぁ〜と思っている。
【その他小説】
(小川糸)サーカスの夜に
(恩田陸)夢違
(川上弘美)七夜物語(上・下)、どこから行っても遠い町
(西加奈子)うつくしい人、サラバ!(上・下)
(白石一文)私という運命について
(村上春樹)女のいない男たち
(森絵都)この女
(奥田英朗)空中ブランコ
七夜物語で、すっかり川上弘美さんのファンになってしまった。
(今まで小川洋子さんと区別がつかなかったのは内緒。)
秋の夜長に毛布にくるまって、小さな明かりを灯して、コーヒーとチョコレートを片手に読みたくなる、
不思議な童話みたいなお話だった。
それから、「サラバ!」は夢中になって読んだ。
今まで読んでこなかったタイプの本。好きな作家が、またひとり増えたなぁ。
小川糸さん、川上弘美さんのような透明感、童話感も好きだけれど、
(古きヨーロッパが残ってる、エストニア・ラトビア・リトアニアみたいな?行ったことないけれど。)
冷静な分析とごちゃっと感でぐるぐる掻き回されるような、混沌とした面白さにも魅力を感じる。
(モロッコのバザールのような!行ったことないけれど。)

さいごに、詩集。
【詩集】
(谷川俊太郎)こころの色
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こころはいつもふらふらしている
こころはいつもふるえている
こころはいつもさまよっている
こころは晴れたり曇ったり
そんなこころの深みには
ひとすじの清らかな流れがあるはず
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今年のキーワードは、「静けさ」にあったのかもしれない。
「ひとすじの清らかな流れ」を見つけてみたくて、いろんな湖に出かけたのかもしれなかった。
(今年行った湖の数は、例年に比べて尋常じゃなく多い。)
「怒り」の対義語のような「静けさ」。
まだまだ辿り着けそうにないけれど、今年は忘れられないみずうみに出会えた。
「静けさ」を思い出す拠り所として、金色の鏡のようなみずうみを目に焼き付けたことが、
本当によかったなぁと思う。
きっとあっという間に秋は過ぎ去り、
2016年がやって来るから、
来年の目標は何にしようかなとゆっくり考えてみようと思う。





















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